「雨の日になると関節が痛む、加齢とともに関節の動きが鈍くなった。」など関節に関する悩みをよく耳にします。原因が分からず、痛みを和らげるために試行錯誤している方もいるのではないでしょうか。「薬に頼らず、食事によって悩みの緩和ができたらいいな。
」という方にお勧めなのが機能性表示食品です。今回、関節の働きをサポートする成分が含まれた機能性表示食品をご紹介しますので、参考にしてください。
機能性が表示されている食品は3種類あります。特定保健用食品いわゆるトクホ、栄養機能食品、機能性表示食品の3つです。これらは保険機能食品と呼ばれ、一般食品と同じように食品に分類されます。食品に分類されないものには医薬品や医薬部外品があります。
そして保険機能食品であることを表示するにはそれぞれ基準があります。まずトクホは成分の効果や安全性に対して国が審査を行い、消費者庁長官が許可したものにしか表示できません。次に栄養機能食品は、科学的根拠が確認されている栄養成分を一定の基準含んだ商品にのみ表示を認められています。
届出は必要ありませんが、国が表示の仕方を定めています。そして機能性表示食品はというと、事業者の責任で機能性を表示することができます。しかし安全性や機能性に対しての科学的根拠や、その他必要事項を消費者庁長官に届けなければ表示はできません。
また届出はされていても、トクホのように個別に許可を受けたものではないことを覚えておいて下さい。
関節は体を動かすときにとても重要な部位です。毎日継続的な刺激を受けることによって、関節炎と呼ばれる炎症が起こります。関節リウマチや関節障害がその例です。また、加齢による軟骨の減りや筋力の低下、肩関節周辺の腱の老化、関節内の水分の減少や血液循環の悪化なども関節痛を起こす原因です。
これらが原因の関節痛として、変形性関節症や四十肩・五十肩、通風などがあげられます。今回はこれらの中でも特に多い、軟骨の減りによっておこる変形型関節症に注目します。
変形型関節症による関節痛の原因として、軟骨の減りがあげられます。軟骨の構成成分の70%は水分です。その他にコラーゲン、プロテオグリカン、ヒアルロン酸などが軟骨細胞によって生成され、軟骨の基質となっています。
網目状にコラーゲンが張り巡らされ、その間にプロテオグリカンが水分を含んだ状態で存在します。コラーゲンは豚足や鳥皮などの動物性食品やスッポンやフカヒレなどの海洋性食品に含まれています。それらに含まれるコラーゲンは、体内に入るとアミノ酸とペプチドに分解されます。
このペプチドが体内で吸収され、コラーゲンやヒアルロン酸の生成に役立ちます。また、プロテオグリカンの原料となっているのがグルコサミンです。そして、プロテオグリカンに弾力を与えているのがコンドロイチンです。
グルコサミンは、エビやカニといった甲殻類の外骨格やきのこ類に多く含まれる成分です。体内でも生成されていますが、生成量は加齢と共に減少します。コンドロイチンはネバネバしている食物、例えば山芋やオクラ、納豆やなめこなどに多く含まれています。
関節に直接投与した場合に有効性が認められている成分はヒアルロン酸です。ヒアルロン酸注射は関節リウマチや変形性ひざ関節炎、四十肩・五十肩において保険が適応されます。
ただ食品などで口から摂取した場合、自覚的に痛みがなくなったという話はありますが、有効性は残念ながら認められていません。
関節の悩みを緩和することを目的とした機能性表示食品はたくさんあります。その中でも効果が期待できる成分が含まれている商品を5つご紹介します。1つ目は八幡物産株式会社の「機能性表示食品国産プロテオグリカン」です。
関節痛に効果が期待できる成分がそのまま商品名になっています。軟骨成分のサケ軟骨由来2型コラーゲンとサケ軟骨由来プロテオグリカンが配合されています。2型コラーゲンとはコラーゲンの中でも関節軟骨に多く含まれる成分です。
2つ目は新日本製薬株式会社の「ロコアタックEX」です。サケ軟骨由来の非変性2型コラーゲンとプロテオグリカンが含まれています。非変性コラーゲンが含まれているのが特徴で、これはアミノ酸に分解されずに小腸まで届くように開発されたコラーゲンです。
3つ目はダイドードリンコの「ロコモプロ」です。サケ鼻軟骨抽出成分のプロテオグリカンが配合されています。特徴としてはそれにプラスして筋肉成分になる鶏肉由来のイミダゾールペプチドが配合されています。イミダゾールペプチドはアミノ酸が結合してできた疲労回復や健康維持が期待されているペプチドです。
4つ目はファインジャパンの「ひざ関節コラーゲンPrime」です。鶏軟骨抽出の非変性2型コラーゲンが配合されています。その他に鮫コンドロイチンとカニ、エビ由来のグルコサミンが配合されているのが特徴です。5つ目は株式会社インシップの「エラスチン」です。
カツオ由来のエラスチンペプチドとグルコサミン塩酸塩が配合されています。エラスチンとは弾性のたんぱく質で、皮膚や軟骨などに伸縮性を与える成分です。また、「エラスチン」はエラスチンペプチドが機能性表示食品として受理された日本初の商品です。
これら5つはどの商品も、ひざ関節の曲げ伸ばしや違和感の緩和などのサポートを目的とした商品です。
上記のような、効果に期待ができる成分を含んだ機能性表示食品を摂取することも、セルフケアの1つです。また、サポーターの利用も変形性関節症の方のセルフケアとして推奨されています。関節の保温に役立ちますし、ひざを安定させて軟骨の磨り減りも抑えられます。
痛いから、軟骨をすり減らしたくないからといった理由で、関節を動かさないようにする方も見受けられます。しかし、これは筋力が低下し逆効果です。ストレッチや筋トレなど、有酸素運動は痛みの改善に繋がります。お風呂などで温めて血行をよくするのもよいでしょう。
ただこれらはあくまでセルフケアです。生活に支障が出る前に、痛みがあったらまずは医療機関を受診しましょう。
関節を作っている成分や、それらが含まれている機能性表示食品をご紹介しました。機能性表示食品は医薬品でも国が特別に許可した商品でもありません。治療や予防を目的としたものではなく、あくまでサポートが目的の商品です。
関節の痛みや違和感を少しでも緩和するために、配合されている成分をみて、ご自身で自分に合う商品を選ぶことが大切です。